いわきから海外の大学に進学する
今後は日本社会でも更なる国際化が進み、国際感覚を備えた人材が求められます。そのため、海外の大学への進学はより有力な選択肢になるでしょう。
とは言え、海外進学の方法には主なものでも以下のような種類があり、それぞれに大きな違いがあります。
① 直接進学
高校卒業後に直接、海外の大学に出願する場合で、英語力と高校の成績の2つの基準を満たす必要があります。
② ファウンデーションコース(パスウェイプログラム)→ 大学
イギリスやアメリカ、オーストラリア・ニュージーランドの大学へ進学する場合は、一般的に「ファウンデーションコース(パスウェイプログラム)」という、希望する専門課程の基礎的教養の習得と英語力の強化を図るプログラム(期間:約1年間が多い)を履修することになります。
これは、①で挙げた英語力と高校の成績の基準を満たしていない場合の進学準備コースで、大学側で直接提供している場合と大学公認の語学学校が提供している場合があります。この場合もある程度の英語力が求められます。
③ 語学学校 → ファウンデーションコース → 大学
こちらは②の基準の英語力に満たない場合で、英語に全く自信が持てない人向けです。このコースの目的は単に英語力を高めるだけでなく、教養科目などのファウンデーションコース進学に必要な条件を満たすことです。必然的にトータルの期間が最も長くなる傾向があります。
④ 語学学校 → 大学など
語学学校が大学進学コースを設置している場合があり、規定の英語レベルに到達し、語学学校終了後に提携している大学やコミュニティカレッジ(アメリカの2年制公立大学)、専門学校などに進学する形です。
⑤ 日本の大学 → 海外の大学
日本の大学に1年通った後に海外の大学に進学する形で、現地の大学では再び1年生として入学することになります。これは大学1年次がファウンデーションコースの代わりとなるようなイメージで、編入とは異なります。この場合は出願時に提出する成績は大学1年次のものとなります。
このような違いがあることを前提に進学先を決めなければならないのです。
また、一般的に海外の大学へ出願する際には、
・TOEFL/IELTSなどのスコア(英語力の証明)
・高校の成績証明書
の2点がほぼ必須と言えますが、それ以外にも
・高校の卒業証明書
・推薦状
・願書,エッセイ(志望理由書)
などが必要になるケースもあります。
ちなみにアメリカの大学を目指す場合は、「SAT」という大学進学適性試験のスコアも必要です。
出願の際にはどれも重要ではありますが、留学中はコミュニケーションの全てが英語となるでしょうから、中でも特にポイントとなるのはやはり英語力の証明となるTOEFL/IELTS等のスコアでしょう。
例えばTOEFLは4技能(Reading・Listening・Speaking・Writing)を問う試験で、一般的に海外の大学が認める最低のスコアは120点中61点(英検2級程度)と言われています。しかし、実際は70~80点(英検準1級程度)ほどのスコアが必要になることも多く、名門とされる大学や有名大学では更に高いスコアが求められるのが実情です。
4技能それぞれの試験内容は、以下の通りです。
Reading ・・・ 学術的内容の長文(約700語)を3~4パッセージ読み設問に答える。
Listening・・・ 講義、教室でのやりとり、会話などを聞いて設問に答える。
Speaking・・・ ①受験者にとってお馴染みの話題について意見を口頭で述べる。
②読み取った資料と聴き取った講義やトークに基づいて話す。
Writing ・・・ ①資料を読み次に講義を聴いて書面でまとめる。
②ひとつの意見を文章で支持する。
いかがでしょうか。
これら4つの対策を満遍なく進めていくことは想像以上に大変です。
以上の点から、學至会としてはまずTOEFLやIELTS等のスコアを限られた時間で効率良く上げるための対策を提供いたします。
また、中には
①海外進学だけでなく、同時並行で国内進学をも視野に入れている方
②国内受験の結果を踏まえた上で、より大きな視点から海外への進学を検討している方
などもいらっしゃるかと思います。
その場合、国内の大学と海外の大学とでは、入学時期が大きく異なるため、注意が必要です。
學至会では、そういった方々の希望に合わせたカリキュラムを構築いたします。
世界的な新型コロナウイルス流行の中、海外の大学への進学には先の見通しが立ちにくいため、いろいろと不安要素は少なくないかと思いますが、一緒に目標へ向かって歩みを進めましょう。
主な入学時期の違い
アメリカ → 9月、1月
カナダ・イギリス → 9月
オーストラリア・ニュージーランド → 2月、7月
海外の高校に留学し日本の大学に進学する
セントジョセフ高校(ハワイ州)
上智大学文学部
木村野々花さん インタビュー
學至会(以下G)今日はよろしくお願いします。まず高校をハワイにしようと思ったきっかけを聞かせてくれますか?
野々花さん(以下N)現地でフラダンスを本場で学びたかったんです。いわきのハワイアンはいわきの物であって本物
ではないと感じていました。また、学力的に上位の高校には入れない状況でもあったんです。
Gフラダンスに興味を持ったきっかけは?
N友達がやっているのを見学に行って、ていうのがきっかけかな。元々はバレエをやっていたんですけど、フラの方が
ずっと楽しいと感じたんです。
Gフラダンスは満足できるところまで学べましたか?
Nはい。去年フラガール甲子園にでないかとうちの高校に出ませんか、と声がかかったんです。オンラインで参加しました。
その後アポを取ってフラガール甲子園の会長と対談なども行って、その後の高校とフラガール甲子園とのつながりもできたんです。
Gひとりで海外に行くことにたいしての不安はなかったの?
Nオーストラリアに2度、1週間の短期留学に行った経験があったので、特に抵抗感はありませんでした。
Gハワイでの高校選びはどのようにしたの?
Nオアフには日本人がたくさんいるので、ハワイ島にないか探していたんです。WEBサイトで母が見つけた高校に興味を持ち、フラの先生に聞いたら、とてもいい高校だといわれました。中3の6月、高校の説明会が東京で開催されたんですけど、実際に留学している人やOB・OGの声なども聞く機会があって、そこでほぼ決めたって感じです。
G高校への入学条件は厳しかったですか?
Nいいえ、学校の評定で数学が3以上、英語が4以上。高校で何をしたいのかについての英語レター(レター用紙3枚分くらい)を書く必要がありました。自分の世代では中止になったんですが、本来は電話面接があるようです。英語に自信の無い人は1学年落として留学することもあるみたい。
G野々花さんは学年を落とさず入学しましたが問題は無かった?
N根性で大丈夫だったw
G高校の合格が決まる時期、入学の時期はどんな感じですか?
N3月に決まり、入学は8月中旬です。一般論として、高校も大学も、アメリカの方が日本よりも入学に関しては入りやすいが、ついて行くのは大変です。うちの高校も例に漏れず。
G高校生活はどうだった?
Nカトリックの学校だったので、校則は厳しかったです。ピンクやブルーの髪は禁止、茶髪とかはOKなんですけど。ヘソ出しや肩だしは禁止。でも、授業中に弁当とかお菓子とかを食べるのははあり。
Gでもそれは日本の高校と比べれば大分緩いよww
Nそうですね~。あと、感謝祭、ハロウィン、イースター、クリスマスなどはみんなで教会に行ったりしました。規模が小さいので、家族的でみんな優しくて、いじめなども見たこともなかった。パジャマデー、ハロウィンコスチュームで学校に行くなど、日本じゃ考えらえられない企画などもありましたね。
G向こうに行って変わったな~と思うことはある?
N日本にいるときは先生にいわれたことはハイと聞いていたんですけど、自己主張はできるようになったとおもう。テストの点数に関して議論してあげてもらったり、とりあえずダメ元でも言ってみる、という気持ちが持てるようになりました。文化、民族だけでなく、宗教や地元の人の考え方など、世界観が広がりました。
G一番きつかった科目は何でしたか?
NやっぱりなんといってもEnglish。Essayを書くときに日本人だから、という基準ではなく、現地の子と同じ採点基準で判断されるんです。再提出とかも多かったし。ディベートなども外国人だからといって手加減はありませんでした。英語だけではなくて他の科目も課題が多かったです。
G留年者はいたの?
Nほとんど無いんですが、半年落としていた子はいました。
G学業以外の活動は?
Nフラダンスとチア(学校内の部活)、ボランティア(折り紙を教える、小さい子に英語を教える)などですかね。
G余暇はどんなことをしていたのか教えて下さい
N友達とビーチに行ったり、近所の方々とホームパーティーなどはしていた。車の免許を取ってからはドライブに行ったりもしていました。地元の子は14歳から免許取れるんですよ。
Gへぇ~、そうなんだ。ハワイで一番おいしい食べ物はなんだった?
Nメキシコ料理(エンチラード、ブリトー)がおいしかった
Gハワイなのにww
Nファストフードやレストランでも食べられるし、ホストファミリーも作ってくれた。ハワイ料理ではバナナの皮に鶏やノブタを巻いて蒸した物もおいしかったです。
Gへぇ~。似たもの他のポリネシアで食べたことあるな~。そうそう、ハワイで一番のお気に入りの場所も教えてください。
Nパプナビーチ、キラウエアはきれいでしたね。
G天文台のたくさんあるところ?
Nそれはマウナケアですね。キラウエアは火山です。
Gなるほど、そうでしたっけ。ところでホストファミリーに関してはどうでしたか?
N金銭目的でやっていて、ほとんどケアしてくれない家庭もありました。コミュニケーションをなかなかとることもできなくて。逆にそこ以外は本当の家族のように扱ってくれて、今も交流が続いています。
G途中で挫折する子はいるの?
Nコロナで帰った人、田舎が耐えられずに都会(オアフ)の学校に転校した人などがいました。他の学年には、学業で挫折した人もいました。
G帰りたいと思ったことは?
N1年目には何度もありましたね。ホストファミリーや学業の大変さから、です。2年目以降はほとんど思わなくなりました。
G高校卒業後の進路についてはどう考えていたの?
Nハワイに残りたいという気持ちもあったんですけど、国外から日本の大学に編入することは難しいが、日本の大学からハワイに行くとこは可能なので、日本の大学に行こうと思いました。
G大学選びは?
N高校はカトリックだったので、上智は入りやすいという真偽不明の噂はありました。高校の先生から、説明会があると聞いて、何校かの説明会に(オンラインで)参加して決めました。慶應の帰国生入試はSATかACTの受験結果の提出は必要で、自分は受験していなかったので出願できませんでした。
G受験勉強ではどのような取り組みをしましたか?
N基準点は満たしていたがTOEFLでのよりハイスコアを目指していました。
G學至会での受験対策は?
N過去問の小論文を説いて、添削してもらった。面接練習も行った。様々なTOPICにたいして議論して、考えを深めて行くことができました。
G受験勉強は大変だった?
N3ヶ月しかなかったので大変ではありましたね。でも、特別この教科、というような内容ではなかった(小論文・面接)ので、十分に塾で補えたと思っています。
G実際に受験してみた感想はどうでした?
N面接は鈴木先生が予想していた通り圧迫面接だったので、対策できていました。小論文は想定よりも字数が少なくなったので余裕を持って臨めました。
G高校から海外留学するメリットはなんだと思う?
N帰国生入試の志願倍率がその他の受験方式に比べて低い傾向にあって、おすすめできるけれど、対策は必要です。日本の高校に進学していたらおそらく上智になんて進学はできなかったと思う。
Gどんな大学生活を送りたいですか
N日本の大学を選んでよかったと思えるくらい充実した大学生活を送りたいです。将来的には国際機関で途上国のプロジェクトマネージメントをやっていきたいので、そのための勉強をしっかりとしていきたいですね。
G日本の中学生たちにメッセージをお願いします
Nアメリカ本土とはカルチャーが違うので、ハワイ独自の文化が学べるところが非常によかった。どこに行っても大変なので、覚悟を決めて。いやいや言わずに何にでも挑戦できる子が向いていると思います。
Gとても参考になりました。いろいろ聞かせてくれてありがとうございました。
N大変お世話になりました🙇♀️鈴木先生の丁寧なご指導のおかげで、無事上智に合格することができました!心から感謝しています!ありがとうございました。
日本の高校から海外の大学に進学する
西オーストラリア大学(オーストラリア)
昌平高等学校 佐藤亜美さん インタビュー
學至会(以下G)
今日はよろしくお願いします。まず、海外の大学に興味を持ったきっかけは何ですか?
亜美さん(以下A)
小学5年生の時に震災被害者の支援プログラムでローマに1ヶ月行ったときに、ホストファミリーの
お母さんが英語を話せる人だったのですが、あまり意思疎通できずにいたので、英語を勉強したく
なりました。また、日本人の海外留学の動画を見て、海外での生活も面白そうだなと感じました。
https://www.youtube.com/watch?v=SM7gsJyunvE
Gオーストラリアに決めた決め手は?
A中学3年の時に中学校の留学プログラムで、東部のタウンズビルに9日間ですが短期留学しました。その時に、治安がよくて自然豊かで、自分に合っていると感じたんです。
G大学はどういう決め方をしたんですか?
A日本のPOPカルチャーを外国の方に紹介したいと思っていて、日本との時差も少ないオーストラリアでビジネスを学んで、将来職に就いたときにスムーズに海外向けのサービスを提供できるようにしたかったんです。
例えばコロナで減ってしまった外国人観光客向けに、日本の地方の情報を発信できればと思っています。いきなり外国人が日本の地方に来るのも難しい面があると思うので、ツアー形式なんかもありかなと思っています。現地に行かないと解らないような、相手の文化をしっかりと把握した上できめ細かいサービスを提供できればと思っています。
いろいろな大学のカリキュラムを調べましたが、それほど大きな差は無かったように思います。シドニー工科大学、アデレード大学にも合格しました。西オーストラリア大学はオーストラリアのグループオブ8のうちのひとつでQS世界大学ランキングでも90位(2023年)に位置している名門大学です。(編注:2023年、日本国内では100位以内は東大23位、京大36位、東工大55位、阪大68位、東北大79位の5大学のみ)
大学のあるパースは日本人留学生が東部の大学に比べて少なく、甘えのない環境に身を置くことが出来ると思いました。最終的には治安の良さと、奨学金の多さで決めました。日本に帰ってきてからの評価なんかも考えました。
Gどういう風に調べたんですか?
A各大学の特長、奨学金の情報、寮の雰囲気なんかを、留学エージェントのサイトで見て調べたり、大学のサイトを見たり、知人から情報を聞いたりもしました。
G出願手続きはどのように行いましたか?
A高校の成績証明書とIELTSのスコア、写真をエージェントに提出しました。出願は11月下旬で、西オーストラリア大学とアデレード大学は11月末、シドニー工科大学はその少し後に結果が届きました。
G英語以外に数学の学習もしていましたよね?
Aメルボルン大学の受験を考えていたときには、事前の学力テストがあると聞いていたので、河合先生と学習を開始しました。大学受験で数学が不要になることが決まってからも、数Ⅲは履修していなかったので、大学に入ってから困らないように学習を進めていました。
G内定をもらうまでに一番苦労したことは何でしょう?
A7月くらいにIELTSの受験をしたんですが、その結果で進路が決まってしまうのでとても緊張しました。この時には納得のいくスコアがとれなかったので、オンラインで9月下旬に再受験したんですが、他の分野では点数を上げられらものの、基準を満たすスコアがスピーキングだけ出せず、結果的には1回目のスコアを利用する形になりました。
GIELTSの勉強と、他の英語学習との違いは?
AIELTSは日常会話に近い内容ですが、TOEFLなどは理科系の内容などが多かったと思います。また、IELTSでは、イギリス英語に慣れないといけないので、BBCを見たりしましたね。ただ、それだけでは疲れてしまうので、イギリス人の動画コンテンツなんかも見ました。イギリス英語のリスニング練習ばかりしていたので、共テのリスニングなんかは逆に聞き取りづらかったりしました(笑)。
GIELTSの勉強を具体的に教えて下さい。
Aリーディングに関しては、菅野先生との授業で、当初は留学がまだ確定していなかったこともあり、英文読解も日本の大学受験に向けてやっていました。IELTS受験を決めてからは、IELTSの英文のテーマが歴史ものが多かったので、そういった題材を重点的にやっていました。
とにかくスピードが要求されるので、目標時間を設定してクリアできるような練習をしました。最終的には、全部読むのではなく、問題を読んでから本文上でキーワードを探しながら読む、といったコツもつかめました。単語については、単語帳の余白に自分が解らなかった単語を付け加えて、オリジナルの単語帳に仕立て上げて、それ一冊ですべてまかなっていました。
リスニングでも解らない単語はスクリプトを見て調べたり、シャドーニング(英語を聞きながらそれを真似して発音する練習法)をしたりもしました。BBCのPodcastなんかを利用して、1週間に一つの素材というペースで、リスニング→スクリプトの確認→シャドーニング、といったトレーニングもしていました。
ライティングは鈴木先生に添削してもらって、客観的な文章を書く訓練をしました。締めの文章や接続詞など、使えそうな表現をストックしていたものをテスト直前に復習したりもしました。
スピーキングについては高校の先生と練習したり、塾では勅使河原先生とIELTS用のスピーキング対策問題集を使った練習を行いました。同じような問題が出ることも多いので、過去問の研究も重要です。ある程度出題頻度の高い内容に関してはネタを仕込んでおくことも大切だと思います。その場で答えを考えて、それを英語に変換して、といったことをするのは大変な労力が必要になりますので。
余談かもしれませんが、IELTSは試験場で受験した方がいいと思いました。オンライン受験の場合、事前の接続チェックがあるのですが、私の時には癖の強い英語を話すインドの方が担当だったので、うまく聞き取れずにそこで余計な緊張してしまい、実力を発揮しきれませんでした。
G大学生活で期待していることはありますか?
A母頼みで家事を全くやってこなかったので、一人でどこまで出来るのか楽しみです(笑)。あと、周囲に日本人がほとんどいない環境のなかでやっていくこと、未知のパースの住環境、留学でしか得られない人とのつながりが作れることも楽しみにしています。
Gこれからのスケジュールは?
A6月に留学生向けのコースがスタートするので、そこからになります。 一年間はそのコースで過ごし、翌年の7月から2年に編入する形になります。オーストラリアの大学は3年で卒業となるため、順調に進めば日本の4大生よりは半年以上早く卒業を迎えることになります。
G留学を志す後輩に向けてのメッセージを。
A高校進学の時に自分は妥協してしまったところがあって、少し後悔していたんです。日本の大学もいいとは思うのですが、自分が本当に行きたいところに行かないと、中3の時のように後悔するかもしれないと思いました。皆さんも自分の内心を見つめ、悔いのない選択をしていただければと思います。
G色々と聞かせていただき、ありがとうございました。