保護者の方から「読書すれば国語の力が上がるのでしょうか?」とか「現代文の点数を上げるには新聞を読ませた方がいいのでしょうか?」といった質問を本当によくいただきます。国語の勉強法が、他の教科と違ってあまり明確にされていないのが一因かと思います。
また、国語を苦手にする人が実際に国語のできる友人に訊いてみても、「特に何もしていない」といった答えが返ってきたりします。そこで、今回は国語の学習方向についてお伝えできればと思います。
まず、国語の点数を上げるには読書をした方がよいのか?という質問に対する答えは、yesです。もちろん、読書をしないよりした方がいいに決まっています。現代文の問題は、言ってしまえば言葉に対する感度を問うものなので、多くの文章に触れることによって言葉に対する感度は磨かれていきます。
特に何もしていないけれど、国語の点数が高い人は、幼い頃からの読書経験によって自然と「言葉のプール」(各人の言語経験のことです)が構築されているため、たいした努力もなく点数が取れてしまう傾向にあるのは事実でしょう。
では、読書をしなければ国語の点数は上がらないのか?
答えはNoです。読書によってある程度の「言語のプール」がすでに出来上がっている生徒が有利なのは事実ですが、数多くの国語指導してきた経験から、点数を上げる方法はあると断言できます。では、それはなんなのか?
現代文のルールを知るということに他なりません。国語が苦手な生徒のほとんどが現代文のルールを正確に理解していないために失点してしまうのです。具体的に説明するため、例を挙げてみましょう。
例題
現代文を正確に読むことは難しい。しかし、読解のコツをつかむことができれば、苦手意識も減るだろう。それを今からお教えしようと思う。
傍線部の「それ」とは何か?10字以内で書きなさい。
どうでしょうか?小、中学生の問題で頻繁に出てくる指示語の問題です。
文章から抜き出すとすると…、
読解のコツ(5字)?
現代文を正確に読む(9字)?
すぐに解けるようで、考え込んでしまう人が多いのではないでしょうか。
それでは、解き方のアプローチをご紹介します。
指示語の問題のアプローチ
① 指示語の前に答えがある
② 指示語の代わりに答えを入れて読んでみる
③ 字数に合わせて答える
以上を踏まえて、答えをまとめると、
現代文の読解のコツ(9字)が正解となります。
本当は、現代文の正確な読解のコツ(12字)としたいのですが、10字以内でまとめると上記のような答えとなります。
今回は指示語のみ、かつ10字以内という比較的シンプルな問題でしたが、100字以上を要求される問題もあります。そうした場合、答案作成の指針がないとどういう風に手をつけていいのかわかりません。
學至会では、現代文の様々な問題に対してのアプローチの仕方をマンツーマンでしっかりと身につけることができます。現代文のルールが定着すれば、どのような問題が出されても怖くありません。
正確な文章の読み取りができれば、様々な教科にその影響は波及します。国語ができるようになった結果、総合的な学力が上がったとの声を非常に多くいただいています。
社会人となっても、文章読み取り、作成は必須のスキルです。できるだけ早いうちに身につけることが有意義だと考えます。